行かないですか

 いま日本語は「ます」から「です」へ移行している真っ最中です。

 旧「ます」新「です」

  • 行きます>>>>>>>>>>>行くです(まだまだ無理)
  • 行きました>>>>>>>>>行ったです(まだ無理)
  • 行きません>>>>>>>>行かないです(既に「です」が優勢)
  • 行きませんでした>>>行かなかったです(既に「です」が優勢)

 この通り、すでに「行かないです」と「行かなかったです」は「行きません」と「行きませんでした」にとってかわりました。「行くです」と「行ったです」の2つは、いまはまだ無理でも、そのうち使われだして(「行ったです」はときどき耳にしますよね)、認められていくだろうというのが私の考えです。

 この話はほかの記事でもしました。その記事では「行かないです」と「行きません」の違いに触れています。 「行かないです」は、たとえば「お酒は飲まないです」とか「この季節にはあまり雨はふらないです」のような、習慣や属性を言いたいときにはむしろ「ない」のほうがハマる。動作性・意志性の強い「ます(ません)」よりも、形容詞的要素を持つ「ない」のほうがしっくり来るのはわかりやすいことです。

 逆に「もう二度と行きません」のような決意表明のときには、「行かないです」より「行きません」のほうがいい。「ます」の持つ「動き」や「意志」のようなものが助動詞のように効いています。

 「いっしょに行きませんか」という誘いかけは上の2つの中では後者にあたり、「ない」をつかって「行かないですか」とやるのにはちょっと無理がある。だからここは「ます」が残ると、私は思っていました。

 ところがそうではなかった。下の動画を見てほしい。

 私自身これまでに生で聞いたことはなかったが、この動画を見る限り、すでに「行かないですか」が使われているのだろう流通しているのだろう。海外に住んでいることもあり、最近日本の若い人の日本語を聞く機会が少なかったので、気づくのが遅れたが、もうとっくに認知されているようだ。

「ます」から「です」への変換は、予想よりずっと速く進んでいる。

 

「遊んで行かないですか」。

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