普通形

普通形とは

日本語教育・日本語学習における用語。
〈丁寧体-普通体〉の普通体と同形であることから「普通」形とよばれるが、普通形は普通体とはまったく異なる概念である。

  • 普通体:〈丁寧体-普通体〉「丁寧かどうか」という話しかたのこと。おもに文末で用いられる
  • 普通形:おもに文中で「連体・引用」という機能を果たすカタチのこと。「丁寧かどうか」とは一切関係ない

「普通形」はその名称から「普通体」と混同されることもあり、「普通形」という名称の是非にはかねてから議論がある。


普通体が主に文末の言い切りで使われるのに対し、普通形文中で使われる

  • 本、読む?(普通体)
  • 私の趣味は本を読むことです(普通形)
  • 小学生も読むので、漢字にはかなをふります(普通形)

実際には

  • 小学生も読みますので、漢字にはかなをふります

のような言いかたもできる。「普通体・丁寧体」とは別の概念として切り離して考えなければならない。


普通形の代表的な用法は二つ

  • 名詞にかかる(連体-あした来る人)
  • いわゆる間接話法(引用-「来ると思います/来ると言いました」)

普通体(言い切り)と普通形(連体)は、たまたま同形になってしまったが、かつて別の形であったことからもわかる通り、同形である必然性はない。


ほかの呼び方

ほかの用語がないわけではない。

・(「ポライト・フォーム」に対して)「プレーン・フォーム」(日米会話学院の『日本語でビジネス会話』など)

・(「長いかたち(ロング)」に対して)「短いかたち(ショート)」(江副隆秀先生)

ほかに、いわゆる「連体形」とか「名詞修飾」という呼び方もあるが、こちらが教員と初級学習者との間で共有されることはほとんどない

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