文化庁のページに国語表記の基準として掲載される「ローマ字のつづり方」は、現在実際に使われている表記とはことなる点がいくつかあります。 この「ローマ字のつづり方」は、昭和二十九年に当時もばらつきのあったローマ字表記をそろえるという趣旨で内閣がおこなった訓令でとても古い。
ローマ字のつづり方 訓令,告示制定文
内閣告示〔原文縦書き〕
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文化庁ローマ字のつづり方(前回の記事と同じリンクです)
※表内の赤下線は私が引きました
文化庁のローマ字のつづり方の第一表で、し=si、ち=ti、ふ=hu、じ=ziとされるものは、最近はshi、chi、fu、jiとされることが多いようです。 日本国内閣が第二表として許容したほうが主流になってしまいました。
長音の表記については そえがきの4.にこうあります。
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私がローマ字をならったときは、たしかにこの長音表記(^)を教わりました。当時はあちこちでみかけましたが、最近あまり見ません。
そこで、いまのローマ字の書き方はだいたいこんな感じかなというのが、こちらです。
パスポート(旅券)について(東京都) 必要書類・申請書記入例 ヘボン式ローマ字綴方表
あきらかにこちらのほうが現在流通しているローマ字表記に近い。
注目の長音表記を見てみましょう。 愛すべき、日本語の特殊音素への、東京都の公式見解です。
注意事項の長音から長音にかかわるところのみを抜粋。
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長音:「O」や「U」は記入しない→ (例) おおの ONO
大野さんと小野さんは区別しないということで、東京都はついに長音を表記することをあきらめたようです。
どうしても表記したい場合はあらかじめ相談しろと、あきらかに感情的になっている。
世界の王のユニフォームとともについえた、ローマ字長音表記への挑戦。王監督の旅券のローマ字表記はどうなっているのか。