長音と東京都

文化庁のページに国語表記の基準として掲載される「ローマ字のつづり方」は、現在実際に使われている表記とはことなる点がいくつかあります。 この「ローマ字のつづり方」は、昭和二十九年に当時もばらつきのあったローマ字表記をそろえるという趣旨で内閣がおこなった訓令でとても古い。

ローマ字のつづり方 訓令,告示制定文
内閣告示〔原文縦書き〕


内閣告示 第一号 国語を書き表わす場合に用いるローマ字のつづり方を次のように定める。

昭和二十九年十二月九日

内閣総理大臣 吉田 茂


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文化庁ローマ字のつづり方
(前回の記事と同じリンクです)
※表内の赤下線は私が引きました

文化庁のローマ字のつづり方の第一表で、し=si、ち=ti、ふ=hu、じ=ziとされるものは、最近はshi、chi、fu、jiとされることが多いようです。 日本国内閣が第二表として許容したほうが主流になってしまいました。

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長音の表記については そえがきの4.にこうあります。


4.長音は母音字の上に^をつけて表わす。なお、大文字の場合は、母音字を並べてもよい。

私がローマ字をならったときは、たしかにこの長音表記()を教わりました。当時はあちこちでみかけましたが、最近あまり見ません。

そこで、いまのローマ字の書き方はだいたいこんな感じかなというのが、こちらです。

パスポート(旅券)について(東京都) 必要書類・申請書記入例 ヘボン式ローマ字綴方表 

あきらかにこちらのほうが現在流通しているローマ字表記に近い。

注目の長音表記を見てみましょう。 愛すべき、日本語の特殊音素への、東京都の公式見解です。
注意事項の長音から長音にかかわるところのみを抜粋。


ヘボン式ローマ字表記へ変換する際の注意事項

長音:「O」や「U」は記入しない→ (例) おおの ONO/さいとう SAITO

※長音表記を希望する場合には、下記「ヘボン式によらないローマ字氏名表記」を参照してください。

―中略―

ヘボン式によらないローマ字氏名表記 -上記以外で、ヘボン式によらないローマ字氏名表記(長音H・O・Uの挿入やRに代えてLの使用等)を希望する場合には、あらかじめ電話案内センター又は各旅券窓口にご相談ください。

長音:「O」や「U」は記入しない→ (例) おおの ONO

大野さんと小野さんは区別しないということで、東京都はついに長音を表記することをあきらめたようです。
どうしても表記したい場合はあらかじめ相談しろと、あきらかに感情的になっている。

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世界の王のユニフォームとともについえた、ローマ字長音表記への挑戦。王監督の旅券のローマ字表記はどうなっているのか。