ますの成り立ち

丁寧の助動詞「ます」の成立(J:COMMUNITY福岡 九州ことば辞典より)
20110326141136

「であります/でござります」がつまって「です」ができた。ということは「です」より「ます」のほうが先に使われていたということになる。それじゃ「ます」はどこから来たのかというと「まゐる」・「まゐらす」に由来するそうだ。

Yahoo Japanの国語辞書 大辞林(三省堂)の「ます」には、その成り立ちについては以下の通りです。
〔補説〕から抜粋

〔補説〕(1)中世後期以降の語。「まゐらする」から「まらする」「まっする」(または「まいする」)「まする」などの形を経て成立したもの。活用形や意味・用法の上で、「座(ま)す」「申す」などの語の影響を受けているかともみられる。

 

  • 中世後期以降の語。「まゐらする」から「まらする」「まっする」(または「まいする」)「まする」などの形を経て成立したもの

これを図にすると上の図(丁寧の助動詞「ます」の成立)のようなことになるのだろう。
図にある『謙譲の助動詞「参る」+使役の助動詞「す」』については、「まゐらす」の「す」にはいかせるとかさせるとか使役のような意味のほかに参るとかいたしますのような尊敬の意味もあって、「ます」の意味からすると尊敬のほうの「いたします」から来たと考えるのが自然だろう。
図は、J:COMMUNITY福岡(http://www.jcomfukuoka.com/)というWEBサイトの『九州ことば辞典』にあったものだがもうサイトごと、なくなってしまった。このサイトでは、九州方言では「まっす(る)」なんていうのもあると紹介されていた。

まいらす【参らす/進らす】gooの国語辞書 デジタル大辞泉
ます[助動]の意味 – 国語辞書 – goo辞書(提供元:「デジタル大辞泉」)より補説のみ抜粋 http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/208067/m0u/

[補説]室町時代以降の語で、古くは未然形に「まさ」、終止・連体形に「まする」、命令形に「ませい」が用いられることもある。その成立については、「座(ま)す」「申す」「おはす」を起源とする説があるが、「まゐらす→まらする→まるする→まっする→まっす→ます」と変化したものを本流とみる説が有力である。仮定形「ますれ」はほとんど用いられず、代わって「ますなら」が多く使われる。命令形「ませ」「まし」は、「どうぞお入りくださいませ」「お早くお召し上がりくださいまし」のように、敬語動詞にしか付かない。「ます」を含んでいる文体を敬体とよび、常体の「だ・である体(調)」に対し、「です」とともに「です・ます体(調)」とよばれる。

 

源氏物語イラスト訳で古文の偏差値20UP(↑)する勉強法
【桐壺109-③】参らす
http://ameblo.jp/aiaia18/entry-10454296783.html

 


 

  • 「座(ま)す」「申す」などの語の影響を受けているかともみられる

(↓「もうす」の音変化「ま・す」!)
ま・す【申す】gooの国語辞書 デジタル大辞泉
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/208064/m0u/%E3%81%BE%E3%81%99/

◆ます(在す/坐(座)す)
gooの国語辞書には3項の記述がありますが、その1に「ある」「いる」の意とあります。

gooの国語辞書 デジタル大辞泉の「ます(在す/坐(座)す)」

ま・す【▽在す/×坐す】
1 「ある」「いる」の意の尊敬語 いらっしゃる。 おいでになる。
2 「行く」「来る」の意の尊敬語 いらっしゃる。 おいでになる。
3 (補助動詞)ほかの同士の連用形に付いて、「ある」「いる」の意を敬っていう語。お…になる。 …ていらっしゃる。

全文→http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/208065/m0u/%E3%81%BE%E3%81%99/

「です」と「ます」とは、どちらも「ある」に由来するということで、両者の同質性が窺える。「ます」が「です」に収斂されそうなのも自然の流れなのかもしれない。韓国語では動詞と形容詞の語尾は同じだ。

英語の「be」も存在を示す語であるように、存在をしめす語がコピュラとして使われることが多いらしい。

ウィキペディア「コピュラ(copula)」

日本語…「です」「である」「になる」などは存在を表す「ある」という語から派生してできたものである。
印欧語…他の西洋のインド・ヨーロッパ語族の言語では、ドイツ語のsein動詞、フランス語のêtre動詞がこれに該当するが、英語のbe動詞同様に存在動詞を兼ねている。

全文→http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%94%E3%83%A5%E3%83%A9

(「なる」は「にある」がつまったものと言う人もいます)

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