ないで/なくて

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ー「たべないで」と「たべなくて」とのちがいについて

「たべない+て」には、「たべないで」と「たべなくて」という二つの形があります。

 たべない(動詞系) vs たべなくて(形容詞系)

    • たべないで:動詞「たべて」の反対(たべて ↔ たべないで)
    • たべなくて:形容詞「ない」の活用(たべない+て=なくて)

「たべない」は、動詞(たべ)と形容詞(ない)がくっついた形です。

たべない=たべ(動詞)+ない(形容詞)

日本語の「ない」は一般に形容詞とされ、その性質も形容詞に近い。その 「-ない」 が動詞にくっついてできたのが、いわゆる ”ない形” で、外見も活用も形容詞とほとんど同じですが、動詞的性質も残しています。

この動詞的要素と形容詞的要素が合体した「たべない」を、動詞としてあつかうか、形容詞としてあつかうか。

動詞としてあつかったのが「たべないで」で、これは動詞の「て形」と対をなします「たべて↔たべないで」というペアですね。

反対に、「たべない」をひとつの形容詞としてあつかったのが、「たべなくて」です。「おいしい」が「おいしくて」になるのと同じ理屈で、こちらもわかりやすい。


たべない 【動詞系】
動詞の活用形「たべて」と対をなすカタチ。「たべない」の、動詞(たべ)の部分に重心を置き、動詞として扱ったもの。

たべなくて 【形容詞系】
「たべない」を形容詞のように活用したカタチ。形容詞的要素(ない)を重く見て、「たべない」全体をひとつの形容詞と見立てている。形容詞の「おいしい」が「おいしく・おいしくて」と活用するのと同じように「たべない」が「たべなく・たべなくて」と活用する。つかいかたも形容詞とおなじ。


◆例文

1.-ないで【動詞系】

    • 写真を とらないで ください。
    • 朝ごはんを たべないで 来ました。
    • 母には 言わないでおこう。

2.-なくて【形容詞系】

    • 写真が とれなくて 残念だった。
    • 息子が なにも 食べなくて 心配だ。
    • 母には 言わなくてもいいだろう。

 

-ないで【動詞系】
 行為の実行ついて(その行為をしないと、躍動的に)述べられており、動詞感にあふれている。「行為をしない」という行為。

-なくて【形容詞系】
 行為がおこなわれなかったというコト(事実)によって引き起こされる、感情や判断などさまざまな結果(状況)について述べられている。


最後にこれを見てほしい。

単独の「ない」の場合、「なくて」は成立するのにないで」は成立しない。

    • お金が ないで 買えない  ✕
    • お金が なくて 買えない ○

これは「ない」が形容詞だからだ。

「ない」は形容詞であり、動詞的要素を持たないため、単独では動詞系の「-ないで」が成り立たない。動詞系の「たべ-ないで」という形は動詞の「たべ」があってはじめて成り立つカタチである。
一方で形容詞系の「-なくて」は(動詞をともなわなくとも)単独で成立する。

これは両者(「-ないで」と「-なくて」)の違いを端的に示すもので大変にわかりやすい。


あたらしい活用表(形/フォーム)では、「たべないで」と「たべなくて」の双方をフォームとして掲載している。ご覧いただければ、さまざまな、動詞のカタチのなかで「たべないで」と「たべなくて」が、どのような位置づけになるか体系として確認できると思う

 

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