「は」と「が」

助詞の「は」と「が」について

  • みかさんは 髪を切る
  • みかさん 髪を切る

この二つの文で「みかさんは」と「みかさんが」は なにがちがうのか。
とか、

  • みかさんは 髪 長い

という文の「主語」は「みかさん」なのか「髪」なのか、など。

助詞の「は」と「が」について そのようなことが話題になることがあった。
このことを考えるとき、このようなイメージがあったとおもう。

がとを

「は」と「が」を同列にならべてしまっている。これがいけなかった。
「は」と「が」は同列ではない。日本語の助詞には階層のようなものがあり、「が」は、「は」の下位にある。両者の機能は全く異なり、同列にならべて対照できるものではない。
「が」と同列にあるのは、「を」だ。述部の対象となる語、いわゆる目的語をしめす助詞「を」と「が」は、述部が動詞の場合は「を」、述部が動詞の場合は「が」という風に、同列できれいな対照を見せている。
「対象格」という語もあるぐらいで、こういうとらえかたはあるにはあった。しかしわざわざ「対象格」という語をもちいるのは、「が」の「主格」としての用法を意識してのことであり、それこそが「が」の本分であるかのように考えていたからだろう。
だから「は」と「が」を同列にならべてしまった。

この「対象格」とされる機能こそが、「が」の本分である。「を」と同じ機能だ。
イメージにするとこのようになる。

はとが

この「みかさんがかみをきります」の外(そと)には、きちんと「は」がある。

はとが02

これを、無理に「みかさんが」を四角の外へ出そうとしても、すぐに四角の中にとりこまれてしまう。

はとが03

この通り、「が」は「が」であって、「は」と同列に並ぶことはない。「は」の下に(四角の中で)ただ階層を重ねるだけだ。どうやっても「が」は四角の外には出られない。
文字通り「は」とは「格」がちがうのだ。