ー「お金がなくて買えない」のか、「お金がないので買えない」のか
- お金がないので 買えない
- お金がなくて 買えない
「-くて」と「のだ」はなにがちがうのか。一見すると、どちらも買えない理由を示しているようにも見える
- お金がないので 買えない
前の部分(お金がない)は「買えない理由」。買えないのはお金がないからだ
- お金がなくて 買えない
少し長いが、全体がひとつの形容詞(説明)と考えればよい。「お金がない+買えない」という状況を、一息に説明(=形容)している。
だから 「給料がもらえないので、お金がなくて買えない」 という文が成立する。
- バスが来ないので 遅刻した ー 遅刻したこととその理由の、因果関係
- バスが来なくて 遅刻しましたー 遅刻したこととその周辺事情を含む状況説明
両者を比較して「『-くて』の後件には意志表現が来ない」などと呪文のように唱えるのは、まったく意味のないことです。
「バスが来なくて遅刻しました」のほうは、前件と後件をあわせた、全体がひとつの形容詞(説明)なのだから、意志表現とか動詞っぽくならないのは当たり前でしょう。