いままでの活用表

 当サイトに掲載している「あたらしい活用表」では、動詞のカタチを「形/フォーム」と「態/ヴォイス」との二つに分け、二つの活用表を作りました。
 従来の、日本語敎育の動詞活用表は、「形/フォーム」と「態/ヴォイス」をどのようにあつかってきたのでしょうか。


  • 形(けい):し・して・しよう・しろ・するな・すれば
          文中で引用や名詞修飾につかわれる form
  • 態(たい):する・できる・される・させる
          文末で言い切る 相・voice

  • 「形(フォーム)」と「態(ヴォイス)」とは、別のものであるが、日本語教育では、ことさらに区別されることはなく、一括りに「◯◯形」と呼ばれる。
  • 『みんなの日本語(スリーエーネットワーク)』の巻末にある活用表でも「形」と「態」をわけることはなく、一つの表になっている。
  • 初級の教科書であっても、「形」と「態」を分けたほうがわかりやすいのではないかー。

きその表

 これは『新にほんごのきそ(スリーエーネットワーク1996)』の巻末の動詞活用表だ。ご覧のように形と態がひとつの表に収められている。
 形と態という動詞の在りかたは、その、成り立ちも性質もあきらかに異なるものだ。この教科書は、それをあえて一つの表にした。
 「形」とか「態」とか、そんなことは教える側だけが知っていればいいことで、学習者には余計なこと。どちらも動詞の変化したカタチであることには違いない。だったら、すべての動詞の在りかたをひと括りに「形」と呼んだほうが学習者にはわかりやすいだろう。日本語の教科書は文法書ではない。この活用表は日本語を外国語として勉強するひとのために作られたものだ。
 しかしこの活用表が動詞のカタチをまったく同様に扱い、一括りに「形」と呼んでいるかというと、そうではない。
 13課ます形、18課 辞書形、17課 ない形、19課 た形、14課 て形、31課 意向形、33課 条件形と「形」をずらりと並べておいて(わかりやすいように順番も入れ替えてある)、「態」は右端にひとまとめにしてある。
 27課 可能、37課 受け身・尊敬、48課 使役。これらに「形」をつけなかった(「可能形」とはせず、「可能」とした)のは、これらが「形(フォーム)」じゃなくて 「態(ヴォイス)」だからだ。これは『みんなの日本語第2版(スリーエーネットワーク)』でも変わらない。

みんなの普通形

 変わったところもある。右下に新しい表ができた。これはいわゆる「普通形」の表で、「しんきそ」にはなかったものだ。

『みんな』の活用表

 「普通形」というのは、「態」の活用のことだ。せっかく「普通形」を別の表にしたのだから、「態(可能・受け身・使役)」も「形」と切り離して、普通形の表にくっつければよかったのに、そうはならなかった。「複雑に見える」という意見がまた通ったのかもしれない。

 第三版では35課(形)と27課(態)との間に間隔をとるなり太線で区切るなり、明確に区別されるのではないか。
 そのほうがいいと思う。

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